リーダーとは
突然だが、僕のこれまでの人生において、心の底からすごいと思った男がひとりだけいる。それは高校の同級生のMだ。
僕は高校時代サッカー部に所属していて、部員数は1年〜3年まで合わせて100人弱くらい、全国大会出場を目標に厳しい練習を重ねていた。
Mはそのサッカー部の不動のエース。めちゃくちゃ上手いし速いし強い。圧倒的だった。キャラクターも、当時流行っていた「ろくでなしブルース」の前田太尊のような男が憧れるような無骨で男気のある硬派な男だった。
僕が彼を心からすごいと思うのはサッカーが上手かったからというのもあるが、彼のその人間性にある。不言実行とでもいうのか、あまり目立つことは言わないし、見栄も虚勢も張らない。愚痴も弱音も聞いたことがない。黙々と自分のやるべきことを淡々と積み上げて、ただただ圧倒的な成果を出す。そして、ゴールを決めて当然、結果を出して当然、それだけの積み重ねをしてきてるという自負が滲み出ている。ゴールを決めたその背中が呼びかけてくる、「俺について来い、お前の覚悟はその程度か」と。
実際に引退試合、前半で決定的な点差をつけられてロッカールームに戻るハーフタイム。状況としては引退が限りなく近づいている場面、諦めてはないが後半巻き返すイメージが持てない・・・。そんなメンバーにふとMは、「前半はゴール決められなかったけど、後半俺がひっくり返す。ボールをくれ」と、小さいが確実にメンバーに届く声で独り言のように呟いた。こうやって、彼は決定的な局面で自分の覚悟を示し、メンバーの弱気と迷いを吹っ飛ばし、魂に火を灯していく。この圧倒的な主体性、責任感、覚悟、これが本当のリーダーの姿だと思う。これまで、数多の経営者、政治家、有名人をTVや動画で見てきたしビジネスの世界でもリアルに接してきたが、彼ほどの痺れるリーダーシップを感じたことはない。それほど、稀有な存在だったということをこの歳になって、いまだに強烈に思い知らされる。
青春のビデオ
先日、高校サッカー部のメンバーから当時のサッカー動画がシェアされた。その動画は、僕らが卒業する時に後輩が試合のビデオを編集して作ってくれた動画なのだが、当時もらったVHSは20年も経過しているので劣化してしまって見れなくなってしまっていたのだった。それが今回電子データで共有されたのだ。最後に見たのがいつだったか思い出せないが、今改めて観るとやはり胸にくるものがある。
当時の厳しい練習の日々、受験勉強との両立、純粋にチーム一丸となって全国を目指した一体感。動画の中でプレー中、アイコンタクトと言われる、目と目を合わせてどこにパスが出せという合図をすることがあるのだが、動画のあちこちで瞬時に、普通にやっているが、あれはお互いが心底信頼し合えていないとできない芸当だったのだと、今はしみじみ思う。
だって、仕事でそんなことしようと思っても平気でスルーされたり、こっち見んなとばかりに怪訝な顔をされたり、いやお前のボールだろと怒られることすらある。そんなチームじゃあ、勝てないのも当然だろう。
リーダーの要件
言いたかったのは、僕はそういうリーダーを目指すということ。色々なリーダー像があると思うが、僕の目指すリーダー像は脳裏にこびりついた憧れた男のあの姿。リーダーの最低限の要件は、メンバーの心を動かす人間である必要があると思う。
Mがあの時あの背中を見せてくれたから、今でも感化されてあの時の熱量で取り組めている気がする。いまだにあの時の彼の檄に応えきれていない気がするからだろうか。そして、僕は僕なりのやり方で背中で語れるような人間になりたいし、あの時のチームを超える強い信頼関係と高いパフォーマンスを出せるプロフェッショナルなチームを創り、今度こそやり残したことを成し遂げたい。
【ご参考】タグクラウド
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