【社会観】AIエージェントのもたらすインパクト

今、僕らが立っている時代
今、ビジネス界を席巻しつつある生成AI。
これまでも、この手のテクノロジーのトレンドは、移り変わりが早かった。
しかし、昨今の生成AIの進化は、そのスピードといい変化の幅といい、これまでのテクノロジーとは段違いであることは、誰もが肌感として感じるところだろう。
一方で、そのテクノロジーがビジネス上どれくらい有用なのかというと、ユーザーが実際にそのテクノロジーを知り、手に取って操作し、機能のいいところ悪いところを実感として理解し、その評価が定まるまでには少し時間がかかる。経験的には5年はかかるだろう。
そこでこのタイミングで僕自身のお勉強も兼ねて、これまでの生成AIの成り立ちと経緯をおさらいしつつ、本年2025年がどういう年なのかを見ていきたい。なお、今回のように、あるトピックにおいて、“今”がどういう時かを考える時は、目の前で起こっているコトを多角的に見るだけでなく、時間軸を20~30年くらい遡って俯瞰する目線を持っておくとより物事を立体的に捉えることができる。
それも、これまでは調べるのに3-4時間かかっていたわけだが、今では生成AIを駆使すれば数分でインプットできる。この技術の5年後におけるビジネスにおけるインパクトは、計り知れない。
生成AIの歴史
さて、少し長いがChatGPTが整理してくれた生成AIの歴史をざっと眺めてみる。興味のある方は、以下の「生成AIの歴史」をクリックしてもらえれば年表が見られる。いつの間にかChatGPTのテキストをコピペしても文字化けしなくなっている。実に便利である。
生成AI発展の歴史
1. 前史(〜2013年)
🔹 ルールベース/統計的手法の時代
- 1980〜2000年代:生成に相当する処理は、ルールベースの言語処理(ELIZAなど)や、n-gram統計言語モデルで実現されていた。
- 音声合成・画像生成もパターン認識に基づく「再構成型」が主流。
🔹 ニューラルネット黎明期
- 2006年:ジェフリー・ヒントンらが**深層信念ネットワーク(DBN)**を提案。ディープラーニングの火付け役。
- 2012年:ImageNetでAlexNetが圧勝、CNNによる画像認識のブレイクスルー。
2. 初期生成AIの登場(2014〜2017年)
🔹 GAN(敵対的生成ネットワーク)の登場
- 2014年:Ian Goodfellowらが**GAN(Generative Adversarial Network)**を発表。
- 画像生成に革新をもたらし、フェイク画像生成やスタイル変換の基盤に。
- 例:DCGAN、StyleGAN(2018)、StyleGAN2(2019)
🔹 自然言語生成(NLG)技術の進化
- RNN(LSTM)を使ったテキスト生成や、機械翻訳モデル(Seq2Seq)が発展。
- 2017年:GoogleがTransformerを発表(“Attention is All You Need”)。
- 言語生成AIの基本アーキテクチャとなる。
3. 生成AIの基盤モデル時代(2018〜2020年)
🔹 GPT系モデルの登場
- 2018年:OpenAIがGPT-1を発表(110Mパラメータ)。
- 2019年:GPT-2登場(1.5B)。文章生成の流暢さで話題に。
- 2020年:GPT-3(175B)登場。質問応答、エッセイ生成などで大きな衝撃。
🔹 BERTと他のトランスフォーマー系
- GoogleのBERT(2018):意味理解特化型だが、マスクされた部分の再構築に生成AIの一端を示す。
- RoBERTa、T5など多様な派生モデルも登場。
🔹 画像生成の進展
- StyleGAN、BigGANなどによりフォトリアルな画像生成が可能に。
4. 多モーダル・拡張期(2021〜2022年)
🔹 DALL·E, CLIP, Codexなどの登場
- 2021年:
- DALL·E:テキスト→画像生成を実現。
- CLIP:画像と言語の橋渡し。
- Codex:コード生成(→ GitHub Copilot に応用)。
- テキスト、画像、音声、コードが一体的に生成されるマルチモーダル時代へ。
🔹 Diffusion(拡散モデル)の台頭
- 2022年:
- Stable Diffusion(Stability AI):オープンソース化で大衆化。
- Midjourney、DALL·E 2 などが画像生成の品質を大幅向上。
- 拡散モデルはGANより安定して学習しやすいという利点が注目。
5. ジェネレーティブAI元年(2023年)
🔹 ChatGPTの社会実装
- 2022年11月末:**ChatGPT(GPT-3.5)**が公開、ユーザー1億人を突破。
- 2023年3月:GPT-4が登場。マルチモーダル入力(画像+テキスト)に対応。
🔹 企業と産業での利用が本格化
- Microsoft:Copilot、Google:Gemini、Meta:LLaMA、Anthropic:Claudeなど各社が大型モデルを展開。
- 医療、教育、マーケティング、創作、法務、ソフト開発など多分野で応用。
6. AIエージェント時代(2024〜2025年)
🔹 自律型AIの登場
- 2024〜2025年:「行動するAI(Agentic AI)」がトレンドに。
- ChatGPTやClaudeなどが、外部ツール・アプリを呼び出しながらタスクを自動実行。
- 例:Auto-GPT、OpenAIのActions、Claude 3のTool Useなど。
- 2025年1月にDeepSeek*はチャットボット「DeepSeek-R1」をリリース。すぐにApp StoreでChatGPTを抜き、無料アプリとして世界トップに。
DeepSeekとは
DeepSeek(ディープシーク)とは、中国・杭州発のAIスタートアップで、**低コストで高性能かつオープンな大規模言語モデル(LLM)**を開発・公開している企業およびそのチャットボットサービスの名称
🔹 生成AIの民主化と法整備
- LLM-as-a-Service型ビジネスが急増(Perplexity、Mistralなど)。
- 各国でAI法制化・著作権問題への対応が進行中(EU AI Actなど)。
この歴史をサマると以下。あらゆるシステムがあらかじめ人間がルールを定義し、お膳立てをしなければシステムは動かなかった世界だったところから、徐々にさしずめ人間のように自然言語を理解し、音声や画像をインプットし、自律的に判断して行動まで起こせるようになってきた。しかもこの直近数年の発展が目覚ましいことがわかる。
- 1980〜2000年代:ルールベース
- 2000年代〜2020年:初期生成AI (自然言語技術の発展、GPTモデルの登場)
- 2020年〜2023年:生成AI元年 (マルチモーダル化、RAG)
- 2024年〜2025年:AIエージェント元年 (自律実行型)
こう振り返ってみると、偶然ながら、僕が業務効率化や自動化といったことに仕事で関わり始めたタイミングとAIの歴史が重なる。2017年頃、RPA(Robotic Process Automation)*が業務自動化ツールとして日本でも普及し始め、僕の仕事でもRPAを導入しようという動きがあったが当時日本では事例がなく、中国からわざわざ有識者を招いてPJTにRPAを導入していったことを思い出す。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)は、ルールベースで定型的な業務を自動化するツールです。あらかじめ決められた手順や条件に従って、パソコン上の操作(クリック、入力、コピーなど)を人間の代わりに繰り返し実行します。判断や対応がルールで明確に定義できる業務に特に適しています。
その際、AIについても当時はアルファ碁*などが話題になっていたタイミングで盛り上がっていたものの、正確性を求められるバックオフィス領域においては、まだ実運用の水準には届いていなかった。それは8年経過した今も同様で、いまだにAI-OCR*が現場業務に適用しきれていなかったり、セキュリティ要因でAIの利用自体がNGとされている実態を見ればわかる。
アルファ碁
アルファ碁(AlphaGo)とは、Google DeepMind(現:DeepMind Technologies)が開発した人工知能(AI)囲碁プログラムです。囲碁のような極めて複雑なボードゲームにおいて、従来のAIでは人間のトッププロに勝つのは難しいと考えられていましたが、AlphaGoはそれを覆したことで世界的に注目されました。
ゆえに、RPAのようなルールベースの自動化ツールがビジネス界ではいまだに重宝されているのだが、一方で外部環境の変化の影響を受けやすい特性もあり、RPAの活躍範囲は一部のデータ連携のみ等と限定的になっている。つまり定型的かつ繰り返し作業の多いバックオフィス業務においても、業務自動化・DXの取り組みはなかなか進んでいないのが実態である。
さて、ここにきて生成AI。これは一体どれほどのインパクトを秘めているのだろうか。
生成AIに関するGlobal Leadershipの見解
世界のリーダーたちはこの生成AI、中でも2025年における生成AIをどう捉えているか。
ジェンセン・フアン (Jensen Huang) - NVIDIA CEO :
“AI agents are going to get deployed… this year we’re going to see it take off.”
NVIDIAのジェンセン・フアンCEOは、CESのアナリスト向けQ&Aセッションにて2025年を「AIエージェントの年」と断言。これを「数兆ドル規模の機会」と位置付ける。
ケビン・ワイル (Kevin Weil) - OpenAI CPO:
“I think 2025 is the year that we go from ChatGPT being this super smart thing that can answer any question you ask, to ChatGPT doing things in the real world for you.”
ケビン・ワイル氏は2025年のダボス世界経済フォーラムで上記のように発言。「2025年にChatGPTが現実世界のタスクを実行するフェーズへ」「フォーム入力や予約など雑務の自動化が「間違いなく」実現される」「複数エージェントによる並行処理の活用が進む」等の発言あり。
ふむふむ。なるほど。彼らの立場を鑑みると、ポジショントークも多分に含まれるだろう。しかし、孫社長のスピーチやアメリカのAIに対する巨額投資のニュースもあったように、Globalでは生成AIの覇権争いが激しく行われていて、その市場規模がえげつないことは理解。
そして、生成AIはこれまでのチャットボットとしてこちらの問いに答えてくれるだけでなく、こちらからの依頼をもこなすAIエージェントとして振る舞うことになるという。これは、昨今どの企業でも関心を持ち始めているテーマであり、今後の企業の命運を握るトピックである。これは企業だけでなくそこで働く従業員にもダイレクトに影響を与える点に注意が必要。東大理Ⅲに合格できる頭脳を持つAIエージェントが仕事まで請け負うとなると、これまでと仕事や組織のあり方を根本的に変えることはまず間違いない。
パルスの見解
僕はこの2025年という年は、たまたま偶然起業することになった年であり、起業に際してこれまで考えてきたことと、これまでの経験の中で少しずつ見えてきた課題感、そして技術トレンドが不思議と、ちょうど合致した年になっている気がしてならない。
すなわち、「後悔のない人生を生きるために、仕事や家族や自分などを統合的に捉え、1000年先まで届く価値を創出する」ことであり、ことビジネスに関する課題としては「業務効率化やDXは人を便利にはしても幸せにはしていない」「しかし、非効率な定型業務は一刻も早く自動化してしまい、人間は価値創出に個性と時間を使うべき」ということである。
そして2025年、それらを実現する手段として、生成AIの技術もさることながら、RAGやMCP、APIの普及とiPaaS領域のソリューション、NVIDIAのGPUといったハード面、5Gの普及といったNWインフラ面等々、あらゆる条件が充足しつつあり、企業運営における定型業務を本格的に自動化できる土台ができつつある。
課題が明確になり、実現するソリューションも整っているならば、あとはやるだけである。
しかしそれでも、簡単ではない。業務を自動化するためには越えなければならない壁がたくさんある。特に、企業規模が大きくなればばるほど業務の複雑性、難易度が高まる傾向があると考えている。これまで業務改善を重ねてきた歴史や、イレギュラーやインシデント対応を再発させまいと苦労を重ねて作り上げられてきた業務。本来ルールが明確で定型的な業務であっても、人によってやり方が異なっていてドキュメント化されていない、などなど課題を挙げれば枚挙にいとまがない。これらの業務を抜本的に自動化することは非常に難易度が高く、時間もリソースもかかる。業務切り替えの際も大きなリスクをはらむ。これを多くのステークホルダーを抱える大きな企業が決断できるか。これも2025年の大きな注目ポイントである。
では逆に、最も自動化余地が高いのは誰か。
それは、これから業務プロセスを一から組み上げなければならないスタートアップ企業である。
つまり、PuRuth株式会社、キミである。
そう、僕である。
まず、弊社PuRuth株式会社のあらゆる業務プロセスを全自動化前提で組み上げる。企業活動がすでに始まっている企業に横から入り変えていくのはそれだけで大きなコストとリスクを負う必要がある。しかし、弊社は違う。ゼロである。何もない。これから全て創るのである。ただ何が他社と違うかといえば、将来発生するコストや課題を予測し(Consulting)、全ての業務を自動化前提で業務プロセスおよび業務管理の仕組みを設計し(Operation)、前述のテクノロジーを組み合せて実装する(Technology)。そして、これまでにない低コストで企業が回る仕組みを作り上げる。しかも、企業の規模が拡大してもそのコストは増えない。なぜなら自動化しているから。これが本当の労働集約性からの脱却である。
大切なのは、一つ一つのテクノロジーのトレンドを追いかけることでも、目先の効果を追いかけることでもない。1000年先まで残すべき価値のある仕事かどうか。人生の時間を使う価値のある仕事かどうか。その一点である。その意味でPuRuthは、企業活動における労働集約性からの脱却をいち早く果たし、人間を定型作業から解放する先進企業となる。
これが、PuRuthがまず初めに手がける価値の創出である。この領域で、我々は他社に負ける気がしない。Operation × Consulting × Technologyを組み合わせ、誰にも成し遂げられない、PuRuthだからこそ成し得るビジネスを確立する。
【ご参考】タグクラウド
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