【起業ブログ】物事を成し遂げる必要条件

時間をかけると負ける
物事を成し遂げるために必要な条件がいくつかあるとすれば、その一つにスピードがある。
そしてそのスピードも、最大速度を出すためには前準備がいる。目的(ゴール)を定め、そこに至る道(ロードマップ)を描き、その道中を進む具体的な作業(タスク)を洗い出し、期日を決め、他のものに目をくれず全集中、一点突破する。当たり前といえば当たり前だが、これができていないと最大速度は出しにくい。
一方、現実に目を向けると我々の生きる世界はそう単純にはできていない。何か一つを優先すると他が崩れてしまうような繊細なバランスの上に成立しており、一点突破したくともなかなかできるようには見えない。ゆえに「仕方ない」と多くの場合、自分で自分に折り合いをつける。この折り合いをつける"隙"を与えてしまうと、物事を成し遂げるのは難しくなる。
なぜか時間をかければかけるほどやらない理由に負けるのだ。そして気づけば、当初目指していた目標は徐々に下方修正され、気づけば誰でも到達できる凡庸な結果で自分を満足させようとしている自分に気付く。
これまでずっとそうならないように警戒しながら過ごしてきたつもりだが、僕は今その罠に徐々にハマりつつある。
思うように時間が取れない、思うような結果がでない、このやり方で本当に正しいのだろうか、そんな不安の中、周りから否定的な意見を言われる。すると、つい足を止めたくなる。そして、スピードが落ちる・・・。
これは、やばい。。
ドリームキラー
そう、ある人に相談したところ、否定的な意見をもらった。
言われたこと自体は、僕自身散々考えてきたことだったので、ダメージはそれほど大きくなかった。しかし、結果が出ていない挑戦の最中に否定的なことを言われると、グサッと来ないでもない。今回は不意を突かれて、やや受け身を取り損ねた。
しばらくの間、その言われたことが頭にこびりついていた。それを払拭するためにサウナに行ったり、映画を見たり、漫画を読んだり、なるべく仕事以外のことをして振り切ろうとしてみたが、やっぱりこびりついている。自分で言うのもなんだが、自分のこういうところが少し嫌いだ。
なので、そのこびりついたものを文章にして成仏させることにした。
ちなみに、何か目標に向かって挑戦する時、なせが必ずと言っていいほど否定的なことを言う人が現れる。そういう人のことを俗にドリームキラーと呼ぶ。
そんなことをグルグル考えながら過ごしていると、ふと、高校時代を思い出した。
高校時代は僕の人生において、最も確固たる意思を持って突き進んでいた、原点となる時期である。
僕は当時サッカー部に所属していて、全国大会出場を目指して日々練習に明け暮れていた。同時に国公立大学への受験にも挑戦していた。いわゆる”文武両道”である。なぜそんな挑戦をしていたのかという昔話をちょっとしたい。
高校サッカー部員だけなぜかスタートが遅い
高校サッカーは、ご存知の通りお正月に全国大会がテレビで放送される。
つまり、全国の高校サッカー部員たちは、お正月の全国大会に向けて高校3年の夏休み頃から各地方で予選を始めるのである。
これを聞いて、ピンとくる人もいるかもしれない。たとえば、バスケ部の場合は高校3年の春に最後の大会があって負ければそこで引退する。軟式野球部もたしか高校3年の春と夏の間くらいに引退していただろうか。硬式野球も夏休みに最後の大会がある。しかし、サッカー部だけはなぜか高校3年の夏休み頃から地方大会が始まるのである。
これは、大学受験を志す者にとっては絶望的な壁となる。
一般的に、大学受験を目指す受験生にとって高校3年の夏休みといえば、現役合格の成否を決める非常に重要な時期である。ほとんどの受験生は夏休み前までに部活を引退し、生活を受験モードに切り替え、スパルタ塾の夏期講習などで文字通りカンヅメになって、一日15時間、合格ハチマキを巻いていたかは知らないが、ともかくゴリゴリ勉強するのが通例である。一方その頃、全国のサッカー部員達は最後の引退がかかった地方大会を始めるのである。他の受験生諸君から見れば、正気の沙汰ではないだろう。
事実、僕が高校に入学し受験クラスに入った際、担任との三者面談にて「高校3年間、サッカー部を最後まで続け大学受験も国公立大理系の現役合格を目指す」と無邪気に言い放ったところ、担任の先生からは「やめておきなさい」と、極めて理性的な大人のアドバイスをいただいた。それくらい、高校サッカー部員の置かれる立場が特殊だということに、当時の僕はまったく気づいていなかった。
まぁ、しかし今思うと、それを僕に言うのは本来お門違いで、知ってか知らずか、サッカー部員だけ受験難易度を高めている教育委員会なのか高校サッカー連盟的なところに訴えるべきお話ではないか。そして、仮に彼らに訴えたとてどうせ数十年は変わらないだろうから、結局そんな無駄な期待はせずに、主体的にパッションでその壁を突き破るのが男子高校生の矜持というものだろう。
その意味では、よくぞあの時その決意をしたなと当時の自分を褒めてやりたい。物事を成し遂げるには、あの時の「わかってないけど腹を決めてる感じ」が大事なんだと思う。
男子高校生は現実を知る
しかし、そんな男子高校生はしばらくして、その壁の高さと分厚さに直面することになる。
サッカー部の一つ上の先輩たちがまさにその文武両道の壁に挑戦し、サッカー部を引退までやり遂げたものの、その後、大学受験に全滅したのだった。
全滅、である。
先輩たちは、全員どこの大学にも現役では受からなかった。
これをはじめ聞いた時は、理解ができなかった。何が起きたのか。
少しずつ時間をかけて、頭でその結果や、直面している壁の高さと分厚さを理解した。
そしてあろうことか、逆に燃えた。
「挑戦が難しいことはわかった。しかし、先輩たちができなかったということは、俺ができないということを意味しない。逆に、俺がこれをやりきることができれば、サッカーと受験の両立を諦める必要がないということを、将来にわたって証明できる。そして、そのメッセージは実績として残り続け、未来永劫後輩たちの道を拓く」
と、本気で思った。
こう書くと、なんかカッコよく見えるが、それを実現するプロセスは実に地味なものである。
毎日朝練に向かう行きの電車では、苦手な英語のリスニングをしながらDuo3.0を繰り返し口ずさみ、みんなが学食で談笑しながらランチをしている光景を横目にクラスの自席で持参したお弁当を5分でかき込み参考書の問題を解く。日中の授業が終われば、着替えて走ってグラウンドに向かい、泥だらけ汗まみれになってサッカーの練習に励む。全国大会を目指している以上、その練習も過酷だ。体力増強を旗印に400m走を8本とか連続でやる。400mというのは人間が全力で走れる限界の距離らしく、走り終わると酸欠になって頭が真っ白になり、吐き気を催しグラウンド横でみんなで吐く。練習が終わったら、みんながコンビニで楽しそうに談笑している側をさっと通り過ぎ、帰りの電車では足が筋肉疲労でガクガクしてるのを隠しながら、また苦手な英語のリスニングと速読英単語を繰り返し口ずさみ帰宅。風呂、ご飯を終えて、今度は机に向かって数学の分厚い青チャートをひとつひとつ解いていく。一周目は問題が難しくて、だいたい解けない。全然わかんねーとかブツブツ言いながら答えを見る。なんだよ答え見てもわかんねーじゃんかとか言いながら、あと5分だけと睡魔と格闘し大体22時くらいに寝る。
そんな地味で単調な生活を毎日毎日ひたすら繰り返す。退屈な日々に見えるかもしれないが、多感な男子高校生にとっては一瞬一瞬、激しく自分の心と格闘している。やりたくないなー。めんどくさいなー。わかんねーなー。遊びたいなー。羨ましいなー。。これらの感情を時に捻じ伏せ、時に無視し、時に負けながら、なんとかかろうじて前進する。そして、たまに難しい問題が解けたり、理解が進んだり、サッカーが上手くなった実感を得られると、嬉しくなってやる気がでる。そんな小さな葛藤や手応えの行ったり来たりで、日々の変化を地道に積み上げていく。
ここで一度、冒頭に書いた「スピード」の話に戻る。あえて高校数学的な表現をすればスピードとは距離の微分、つまり「距離の変化量」を意味する。一日あたりのスピードとは、昨日に比べて今日どれだけ変化したか、この変化量がスピードそのものである。では、そのスピードを最大化するということは、どういうことか。この定義に沿って言えば、一日を一分一秒たりとも無駄にせず最大の変化量を創出することが、最大速度を出すということになる。
実は、当時そう気づいて一分一秒も無駄にしない一日を作ろうと気合を入れて過ごしてみたことがある。しかし、結果は全然できなかった。すぐに集中は切れるし、誘惑に負けて漫画を読んだり、ダレたりするし、一日十何時間勉強したと言っても、本当に集中できていた時間といえば数時間あればいい方だろう。それくらい、一分一秒を無駄にしないということは難しいことだと知った。
しかし、先にも書いたが、サッカー部員は他の受験生に比べて不当にスタートラインを下げられている。夏休みも毎日練習や試合で埋まっている。時間はない。やるべき勉強とそのボリュームを書き出し夏休みの予定を立て、苦手分野を一つずつつぶしながら、一歩ずつ進む。電車の中でも、歩きながらでも、ちょっとした待ち時間も勉強に充てる。
夏の大会も始まった。
結果
最大速度を出して走り切れたかと言えば、全然そんなことはなかったが、それでも葛藤と変化を繰り返しながらサッカーと勉強の日々を過ごした結果、サッカー部は東京都でベスト4まで行くことができた。東京都は2校まで全国出場できるので、目標としていた全国大会まで本当にあと一歩だったが届かなかった。引退したのは11月10日。受験間近である。そこから受験モードに切り替え、当時仮で志望校に設定していた大阪大学の模試をいくつか受けたがいずれもE判定。全然ダメ。ここはバサっと諦め、神戸大学に志望校を変更し、1月のセンター試験、2月の二次試験に臨み、なんとか現役合格を果たした。
文章にするって大事
さて、改めてなぜ今更こんな昔のことを思い出しているのかといえば、「結果が出ていない時に否定されて動揺していた」からであった。
しかし、高校時代の挑戦の時は違った。当時もその目標が実現できるかどうかは誰にもわからなかったし、その目標に対して腹を決めて挑戦している自分以上に、その壁の高さや分厚さを理解している人がいないことも確信できた。そう思えるくらいにはやっていた。ゆえに、周りの誰に何を言われても「外野は黙って見てろ」である。
そしてもうひとつ。不安だろうが、自信があろうが、経験があろうがなかろうが、自分にできることは常に「全力を出すこと」だけであるということ。一瞬一瞬の葛藤や負けも含めて、もうこれ以上できない、そう自分で思えるほどやりきっている時、もう周りの雑音は俺には届かない。
あぁ、シンプルに今の自分はそこまでやりきれていないから不安になるんだと、今書きながら気づいた。
危うく、他責にするところだった。
原因は常に自分にあると考えなければ、変化は起きない。つまりスピードも出ない。
またいつか、他責にしたいと思う自分が出てきたら、サウナでも映画でもなく、ブログを書こうと思った。
【ご参考】タグクラウド
※本ブログでは以下のようなキーワードでブログを書いてます。
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